幻冬舎・見城徹 郷ひろみ『ダディ』「5日で100万部」の舞台裏

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幻冬舎社長の見城徹氏が箕輪世界観チャンネルで、ヒットを生む編集者の条件を語った。石原慎太郎氏に切った3枚のカード、郷ひろみ『ダディ』を極秘で初版50万部にした舞台裏とは。

幻冬舎・見城徹 郷ひろみ『ダディ』「5日で100万部」の舞台裏

幻冬舎社長の見城徹氏が、22日公開のYouTubeチャンネル「箕輪世界観チャンネル。」の動画で、ヒットを生む編集者の条件を語った。聞き手の編集者・箕輪厚介氏に対し、見城氏は、付き合う表現者の一人ひとりについて、相手の人生を変える企画を3つずつ持つべきだと説いた。

500人に3枚の「キラーカード」

見城氏は、日常的に付き合う相手が500人いるなら、その一人ひとりに3枚ずつカードが必要だと説明した。そのうえで「キラーカードは持ってなきゃだめですよ、編集者は。」と語った。日々考えるカードは1500枚になる。

キラーカードとは、差し出せば自分ではなく相手にものすごいことが起きると思わせる企画だという。見城氏は「でも編集者だけじゃなくてビジネスマンはみんなそうですよ」と付け加えた。

石原慎太郎に切った3枚

見城氏が実例に挙げたのは、作家の石原慎太郎氏のために用意した3枚だ。1枚目は、弟の石原裕次郎さんを主人公にした私小説だった。見城氏によれば、これが『弟』としてミリオンセラーになったという。

2枚目は「老い」を描く小説だった。石原氏は老いを迎え撃つという立場を譲らなかった。そこで見城氏は小説をあきらめ、エッセー『老いてこそ人生』として出した。見城氏は、これもミリオンセラーになったと振り返った。

3枚目は、石原氏が「墓場まで持っていく」として書かなかった。代わりに見城氏が持ちかけたのが田中角栄を題材にした作品で、一人称で書く発想は石原氏のものだった。石原氏が付けていた別の題に代えて、見城氏が「だったらタイトルは天才ですよ」と提案し、石原氏も受け入れた。見城氏によれば、『天才』もミリオンセラーになったという。

郷ひろみ『ダディ』は極秘で初版50万部

最も大きな数字が出たのは、歌手・郷ひろみの『ダディ』だ。見城氏は、郷のアルバム制作に関わって以来付き合いを続けていたが、郷が持ち込む本の企画は断り続けていた。最初にやる仕事は「決定的な仕事じゃないと」と考えていたからだという。

転機はゴルフ場で訪れた。フェアウエーを2人で歩いていたとき、郷が、離婚しなければならないかもしれないと打ち明けた。見城氏は「書くってことは自己救済でもあるんだよ」と執筆を勧めた。

郷と妻の二谷友里恵さんについて、見城氏は「国民的なカップルだったんですよ」と振り返る。「記者会見の代わりにこの本を読めと」いう一冊にすると決め、所属事務所の社長にも伏せて進めた。取次にもタイトルと内容を明かさないまま、初版50万部で押し切った。

初版は3日で売り切れ、30万部、20万部と増刷を重ねた。見城氏は「5日で100万部行ったんですよ」と明かした。

「ノーハウはないんだよ」

キラーカードを持てる力をどう身につけるのかと箕輪氏が尋ねると、見城氏は「だからノーハウはないんだよ」と答えた。10万部、30万部、50万部、100万部にはそれぞれ壁があるが、一度越えた人は次も越えられるという。

重ねて問われると、見城氏は「誠実に正直に真心込めて生きることですよ」と返した。いちばん駄目なのは、適当で小手先、その場しのぎの生き方だという。見城氏は「お前はお前の人生をちゃんと生きろよ」と語った。

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